離婚をしたいと思い立ち、よく考え、いざ実行に移そうとしても、日本では、いきなり民事裁判を申し立てて離婚をすることができません。これを「調停前置主義」といいます。
俗に言う円満な別れは夫婦が話し合って決める協議離婚で、もう1つは離婚調停という場で、調停委員という第三者を介して話し合いを重ねて折り合いをつけていくものです。
離婚調停の手続きは意外と難しくない!
「離婚調停」は調停を行う分、複雑そうに思われるかもしれませんが、手続きはそんなに面倒なものではありません。まず、「夫婦関係調停調整申立書」の提出が必要ですが、これは全国どこの家庭裁判所の窓口であっても無料で貰えます。(あるいは家庭裁判所のサイトからダウンロードすることもできます。)
この申立書に、離婚の動機や相手に希望する慰謝料に養育費など必要な情報を記載します。
提出先は、同居している夫婦は自分たちの住所地の裁判所へ、別居している場合は、申し立ての相手側の住所の裁判所へ提出します。なお「住所」とは、「本籍」ではなく、「現在住んでいる場所」を指します。
離婚調停の手続きの際に必要なもの
「夫婦関係調停調整申立書」を提出する他に、夫婦の戸籍謄本一通も必要となります。そして、調停の費用である収入印紙代(1200円)と通信費の切手代(800円程度)も必要です。
なお申立の手続きは、夫婦のどちらか一方だけでも行うことができますが、第三者に代理して貰うことはできませんのでご注意ください。書類を送り終えたら、家庭裁判所から「呼び出し状」が来るまで待ちます。
家庭裁判所から呼び出し状が来るまでの間にする事
離婚調停の手続きが終わり、調停期日の「呼び出し状」を家庭裁判所から通知されたら、いよいよ具体的な準備に取り掛かります。
当日までに準備したおいた方がよいことは、まず、持って行く物の準備です。つまり、筆記用具類の準備、家庭裁判所から用意するように言われた証拠類の準備などは忘れてはいけません。また、子供は安全な預け先に事前に預けておく必要があります。
陳述書の準備について
準備の中でも重要度が高いのは、当日、調査委員と何を話すべきかをまとめる「陳述書」の準備です。陳述書には、離婚に至るまでの相手方との経緯やその動機、子供の年齢や学校など親権に関すること、収入や資産など金銭面の現状把握、調停をするにあたり具体的に話し合いたい争点の内容などについて、きちんと整理して書いておきます。
なお申立の時に提出し、調停委員に事前に読んでおいて貰うこともできますし、調停が始まってから提出すること出来ます。どちらにしても、調停当日は、この陳述書の内容に沿って具体的に話を詰めていくことになるでしょうから、陳述書は、自分が読んでも調停委員が読んでもすぐに内容が把握できる分かり易い物を作成しておきましょう。
陳述書の内容について
陳述書の量は大体、A4で4枚ぐらいにまとめるのが一般的ですが、結婚年数が長いと書く内容も増えてしまうと思いますので、その場合は改行を意識して読みやすく書くと良いでしょう。
ちなみに陳述書を裁判所に送るは、調停員1人分だけでOKです。ちなみに当日持参して、調停員に手渡ししても問題ありません。
離婚調停を申し立てる前に第三者に相談をしよう
調停を申し立てる前には、必ず第三者に相談をする事をおすすめします。人それぞれ、離婚の原因は異なってくるため、準備しておくべきものが変わってくるのです。そして、離婚トラブルが調停で解決出来るものなのかどうかも専門家の意見で変わってきます。その判断は、弁護士や地方自治体などで相談してみると良いでしょう。調停の場では無知で望んでしまうと、圧倒的に不利になってしまいます。そして問題を一人で抱えてこんでしまうと、苦しくなる一方なので、一度相談をするという選択肢を持つ事をおすすめします。
まとめとして
1 協議離婚で解決しない場合、離婚調停の手続きを行います。
2 夫婦関係調停調整申立書、夫婦の戸籍謄本一通、調停の費用である収入印紙代(1200円)と通信費の切手代(800円程度)が必要。
3 提出したら家庭裁判所から呼び出し状が来るまで待つ。
4 待っている間に、調停委員と話すための陳述書を書く。