モラハラ夫と離婚をするのは、なかなか難しいものがあります。根本的にモラハラ夫というのは、自分が悪いとは思っておらず、相手をコントロールしようというアダルトチルドレンのため、妻から離婚を申し出てもうまくいかない事が多いです。

そのため協議離婚という解決が出来ず、調停、裁判までもつれ込んで法的に手続きをとる必要があるのですが、それでもけっこうな時間がかかってしまいます。離婚の話合いをしようものなら、それこそモラハラ夫からの攻撃が毎日続くと思いますので、同居ではなく、別居をして距離をおく事は必須です。

弁護士に相談をしても、まずは別居をして下さいと言われるでしょう。それぐらい厄介な相手なのです。実際、別居期間が長ければ長い程、婚姻の破綻として離婚裁判で認められやすくもなります。

別居したくても実家とはうまく行っていない、引っ越し費用もない、というような方もいると思いますが、それでもあなたが家を出るしかありません。モラハラ夫は自分のテリトリーから出ようとはしないのです。

執拗に攻撃される毎日と、その攻撃から解放される自分の将来を天秤にかけてみた時、一時的に苦しいかもしれませんが別居の決意を。今はシェルターなどや、民間の支援センターなどもあります。そういったサポートを利用する事も出来ます。

モラハラ夫と別居する時のポイント

別居をする際に気をつける事としては、別居のタイミング、そして持ち物をどうするか。

別居のタイミングとしては、モラハラ夫の居ぬ間に夜逃げのように身を隠すという方が多いように思います。私の友人は、昼間にスーツケース二つに荷物を詰め込んでタクシーで逃げましたね。家財道具を持ち出すとなると、やはり大変です。

ただし注意点としては、家においてきたものを取り返す事は難しいと思って下さい。モラハラ夫というのは、独占欲の塊です。失う事をとにかく嫌がります。

ただし、持ち出さないと困るものもあるため、最低限必要なものをお伝えしておきます。

お金関係(現金・通帳・銀行印・キャッシュカード・クレジットカード)

別居先がどこであったとしても、生活費は当然必要です。あなた名義の通帳、キャッシュカードなどは夫がいない間にしっかりと取り戻しておいて下さい。

ちなみに結婚してから築いた財産は銀行の名義が夫であろうが妻であろうが共有財産として見なされるので、あなたが夫名義の銀行、キャッシュカードなどを持ち出しても法的に問題はありません。ただし、止められる可能性もあるので、無理して持出さなくても良いと思います。

生命保険・学資保険などの保険証書

これも共有財産になるので、持出しておくと良いでしょう。

健康保険証

健康保険証が一人一枚発行されている場合は、必ず持出しをして下さい。

家族全員分の健康保険証が一枚しかない場合は、とりあえず持出しましょう。その上で、あなたと子どもが国民健康保険に加入出来るように手続きをしてもらうのがおすすめです。

モラハラ夫がよく言うセリフ「戻ってきてくれ」とは。

モラハラ夫というのは、あなたがいなくなるととにかく、戻そうと必死になります。独占欲、支配欲の塊なので、あなたを束縛するためなら手段は問わず、実家、職場に嫌がらせをするものもいれば、泣いて反省をアピールするものもいるでしょう。

特に、この泣いて反省するタイプというのが厄介です。あなたもわかっている事と思いますが、モラハラ夫の演技力はすごいものです。両親の前で本気で泣いて土下座をする事もあります。そこまでの姿勢を見せられると、モラハラ夫の裏側を直接見ていないあなたの両親は、「もう許してあげたら」と言い出してしまったりします。

あなた自身も心が揺らぐかもしれません。彼が変わると言ってくれたんだし。と。

ここでモラハラ夫の特徴を思い出して欲しいんです。外面が良くて、しっかりもので優しそうなのがモラハラ夫、という事を。

もしあなた自身が、やり直せるのかもしれない、と思ったとしても焦って答えを出す必要はありません。
なぜならばあなたは長年受け続けてきたモラハラによって、判断力が弱っている状態なのです。

今弱っている状態だから、心が揺らいでしまっているんだな、と自分自身を客観視して冷静になって欲しいと思います。

そして思い出して欲しいのは、今まであなたが散々注意をしてきて、モラハラ夫が変わった事が一度でもあったのか、という事。

あなたは実家に戻っていたり、もしくは友人宅に居候をしていたり、と急な別居による引っ越しで居心地が悪い状況かもしれません。

しかしそこで戻ってしまったら、今度はそう簡単に別居出来ないかもしれないです。今まで以上の束縛をあなたに強いる可能性も十分あります。

だからこそ気をつけて欲しいと思います。